対象となる主な疾患
甲状腺とは
甲状腺は、“のどぼとけ”(甲状軟骨)の下、気管の前面に張り付くように存在し、蝶が羽を広げたような形をした器官です。
正常の甲状腺は柔らかいので、外から手で触ってもわかりませんが、腫れてくると手で触ることができます。
甲状腺は、ヨウ素を多く含む甲状腺ホルモン(T3:トリニードサイロニンとT4:サイロキシン)を血液中に分泌し、標的となる細胞に働きかけ、作用します。
甲状腺ホルモンは過剰な分泌(甲状腺機能亢進)や過少な分泌(甲状腺機能低下)にならないよう、脳下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって血液中の量を調整しています。
甲状腺ホルモンの働き
甲状腺ホルモンは全身の諸臓器に作用し、成長や発育、エネルギー産生や様々な代謝、循環器系の調整などをつかさどっています。
甲状腺ホルモンの分泌に異常が起こることで体調が崩れてしまいます。
甲状腺ホルモンの分泌バランスが崩れると下記のような症状がみられることがあります。
甲状腺疾患の代表的なもの
甲状腺の病気は大きく2つに分けられます。
Ⅰ. ホルモン分泌の異常によるものがあります
①甲状腺ホルモンの分泌が過剰(甲状腺機能亢進)状態で代表的な疾患としては
バセドウ病
無痛性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎
プランマー病
などがあります。
②甲状腺ホルモンの分泌が減少(甲状腺機能低下)状態で代表的な疾患としては
甲状腺機能低下症
慢性甲状腺炎(橋本病)
甲状腺手術の後
などがあります。
ホルモン分泌異常については内服薬などで治療が行われます。
Ⅱ.甲状腺の中に“できもの”ができる甲状腺腫瘍があります。
これは良性のことが多いのですが、悪性の場合もあり、エコーなどの検査で確認します。
①良性の腫瘍で代表的なものは
甲状腺嚢胞
腺腫様甲状腺腫
濾胞性腫瘍
などがあります。エコーなどで経過観察を行います。
②悪性の腫瘍で代表的なものは
乳頭がん
濾胞がん
低分化がん
髄様がん
未分化癌
悪性リンパ腫
などがあります。基本的には手術を行います。
★甲状腺の病気の症状はわかりにくいことも多いため、気になる症状があれば一度検査にお越しください。